転職活動は考えることが非常に多いですよね。志望動機や転職理由や自分の持っているスキルとは何だろうとか。意識しないと日常的に考えないことばかりなので、苦手という方もいらっしゃると思います。
今回は、そのなかで「転職理由」について書いていきます。なぜ、あなたは転職したいのか。理由をうまく整理しないと、初対面の面接官には理解してもらえないかもしれません。
この記事では、初めて転職される方だけでなく、転職回数が多かったり、結婚を機に転職活動をするような方にとって、転職理由をまとめる際の参考になる情報をお伝えします。
面接官に共感される転職理由の考え方とはどんなものか、ぜひチェックしてみてください。
転職理由に共感してもらうのは実は簡単である
面接官や人事担当者にとって、転職希望者の書類を見ることはいくら仕事といえ大変なことです。様々な転職希望者の書類を見るだけあって、比較してはっきり合否を決められてしまいます。合格させるかの判断には、魅力的な人材だから次へ進んでもらうという「一発合格」と、判断できないからいったん次へ通す「仮合格」の2種類があります。
次の段階へ進めない可能性、つまり落とされる可能性を下げることは、面接官に共感してもらっていい人材だと納得してもらう事です。あなたの職務経歴や面接での対応などの情報から判断されることとなりますが、転職理由も大きな役割を担っています。
転職活動で次の段階へ進むために重要な要素の一つである転職理由に必要なことは、読み手に共感を生むことでです。すごく大きな話のように聞こえるかもしれませんが、「転職理由に共感してもらうことは簡単だ」というのは大げさな話ではありません。
「共感されにくい転職理由」という点について考えてみると、そこには共通点がありました。
共感されにくい転職理由には共通点がある
転職理由は次の段階へ進むための重要な情報の一つですが、共感してもらうことは難しくないとお話ししました。では、「共感されにくい転職理由」とはどのような話でしょうか。
あなたが誰かと話している時、相手の話に共感できない時のことを考えてみましょう。
話に違和感があり納得できない
あなたが相手の話を聞いていて、「話の内容がよくわからない」「納得がいかない」という時があると思います。その時あなたは、相手に共感できていないと思います。
次の文章を読んでみて下さい。
「私は受験生です。第一志望の難関大学に合格するために勉強しています。勉強時間は週に1時間ほどです。」
やや極端に書いていますが、この話し手に共感できる方は少ないと思います。
この話し手の共感できないポイントを図示すると次のようになります。「受験生」である「話し手」が、「難関大学合格という目標」を達成するために、「週1時間の勉強」という行動を取るという話です。
やはりこの話には違和感を感じませんか?
難関大学と自ら言っているあたり、簡単に達成できる目標ではないと思います。それなのに、週1時間の勉強で目標を達成しようとしている。しかも受験生なので受験のための時間はとれるのではないか…このように考えます。
ここで重要なのは、受かるかもしれないという可能性ではありません。目標設定に対する計画や行動についての話として聞くと、計画を立てるのが苦手なのではないか。少々甘く見ているのではないかという共感とは程遠い感情が芽生えます。
話の内容に違和感やおかしいなと疑いの気持ちが芽生える場合、聞き手は共感できないのです。
話に違和感があると聞き手に疑問が生じます。その結果、共感できない話と受け取られるので要注意!
疑いの気持ちを生まないような話の展開を理解していきましょう。
例文で理解する共感を勝ち取る転職理由の考え方
「違和感を感じると聞き手に共感してもらえない」ことが理解できたと思います。それでは、受験生が目標を達成する話を応用し、面接官や人事担当者から共感を勝ち取るための転職理由について例文を用いて考えてみましょう。
例文1:転職回数が多い場合の転職理由を考えてみる
転職回数が多い人にとって転職理由はとても重要になります。
転職回数の多いというのは志望者の特徴なので、「なぜ転職回数が多いのだろう」いう面接官の疑問をなくす必要があります。
転職回数が多い場合「転職が必要なものであったと理解してもらう」ことが共感につながります。
転職活動の軸が「キャリアアップ」の場合の例文を紹介します。
1回目の転職では、在籍期間で身に着けたスキルを使用して規模の大きい仕事をしたいと考え、国内でより大きな企業とやり取りのある企業へと転職しました。
その結果、持っていたスキルを応用して〇〇の様な成果を上げることができました。プレイヤーからマネジメント移行したいと考えて2回目の転職を経験しました。
マネジメントでも〇〇の様な成果を挙げました。更なるキャリアアップを目指して海外への展開で業績を伸ばしている御社でプレイングマネージャーのポジションに応募しました。
どの転職のタイミングでも、目標に対して適切に行動を取っていることが共通しています。そのため、違和感の起きにくい転職理由となっています。
例文2:勤務環境を改善する場合の転職理由を考えてみる
勤務環境を改善する場合、ネガティブな転職と受け取られないようにする必要があります。ここでは、転職活動の軸を「新たなチャレンジ」として例文を紹介します。
在籍企業では、時間外残業が月100時間(あくまでも例です)を超えるような働き方をしていました。
長時間勤務を改善するべくプログラミングの知識を習得し、業務効率改善により、残業時間を20%削減を達成しました。
御社では、私のもつスキルを活かすチャレンジができると考え、今回の転職を決めました。入社後は○○の分野での成果を期待できると考えています。
問題に直面した際に起こす行動によって成果を上げ、身に着けたスキルを活かして貢献できる内容を提示しています。
労働環境が直接的な転職理由であっても、問題解決のために努力できる人材という印象を与える必要があります。
たとえ小さな成果でも、自分の行動によって獲得した成果は共感させられる力を持っています。
応募する企業の属性と結びつけることで、入社に値する人材としての価値があると分かり、共感してもらえる転職理由となります。ここでも、課題や目標とそれらの達成に向けて取った行動にずれがないために違和感が生まれず、共感できる転職理由を提示できています。
面接官からは、「入社後はどのようなチャレンジをしたいと考えていますか」というような、ポジティブな方向へ回答していける質問を引き出していけるかと思います。
共感を呼ぶポイントのおさらいと次のステップ
例文を2つ紹介しましたが、共感を呼ぶために守るべきことが1つあります。
- 「課題や目標」と「実際の行動」にずれがない
「課題や目標」と「実際の行動」にずれがない場合、一貫性があり違和感が生まれません。
面接官も人間ですから、違和感を感じない話には納得します。自分の設定する目標と説明する内容とずれないような言い回しで転職理由をまとめることを意識してみて下さい。今までにあなたが作成した転職理由よりも内容を理解できると思います。
次のステップは、応募書類に記載するそのほかの内容と転職理由にずれが生じてないかの確認です。
問題解決によって身に着けたスキルでチャレンジできる場所を探して転職活動を始めたと言っているのに、志望動機でスキルを1から身に着けたいと言っているようなことはありませんか?応募書類を読んで少しでも違和感を感じたら『修正するチャンス』です。
共感してもらえる転職理由をまとめるために『応募に使う資料同士の横のつながり』を意識して違和感を探すことも重要です。全体を通じて確認することは必要です。
転職活動を成功へ導くために、違和感を排除した転職理由で共感を呼び込みましょう!
なんとなく疑問が生まれますよね。